- vol.03 2010年4月号
- 「プロパティタイプ別の取引件数」(4四半期移動平均)

出所)日経BP社「日経不動産マーケット情報」をもとに住信基礎研究所作成
注1)4四半期移動平均:過去4四半期の期別取引件数の平均値
注2)その他:土地、寮・社宅、レジャー施設、公共施設など
投資用不動産の取引では、もっとも把握率が高いと思われる「日経不動産マーケット情報」をもとに、季節調整後のプロパティタイプ別の取引件数の推移を取り上げた。
2000年代前半には、J-REITの創設・上場をはじめとした証券化市場の投資インフラ整備を通じ、取引市場は順調に拡大した。また2000年代後半以降の市況過熱期にはさらに一段の市場拡大が進む一方で、不動産取引の中心がオフィスから住宅、商業、倉庫、その他(主に更地等)へと、投資基準を緩和しつつ推移した。その後、価格高騰と金融危機の影響により2008年の取引件数は急減し、2009年も同じ状況のまま低調な市場であった。
ただし、住宅用不動産での取引を中心にすでに反転の兆しも見られる。供給側の理由としては、住宅用不動産は資産規模が比較的小さいため、これらを投資対象とした不動産ファンドには中小規模のファンドが多く、リファイナンスが困難で売却を余儀なくされた中小ファンド等により、住宅用不動産の市場放出が相次いだことが挙げられる。一方で需要側の理由としては、住宅用不動産は賃料上昇による成長期待が小さいとの理由で敬遠されてきたものの、価格調整によって、相対的な賃料の安定性や利回りの高さが再評価されつつあることが挙げられる。
なお住信基礎研究所の予測では、国内経済がコンセンサスどおり順調に回復した場合、取引対象が優良な物件にシフトしつつ、取引件数は2004年ごろの水準までに回復・増加すると見込んでいる。当面は、玉石混交であったミニバブルの経験を踏まえ、取引の質・量ともに慎重な姿勢を維持しつつ、緩やかに回復すると思われる。
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